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永遠に去りぬ (Borrowed Time) / ロバート・ゴダード (Robert Goddard)
著者:ロバート・ゴダード 訳者:伏見威蕃 発行:東京創元社 |
Amazonによる商品説明
出版社/著者からの内容紹介
夏の盛りの黄金色の日暮れ時に、私は四十代半ばの美しい女性と出逢った。暫し言葉を交わした見知らぬ旅人。だが後日、私は思わぬ報に接する。あのひとが無惨な二重殺人の犠牲者になったというのだ……! 揺曳する女性の面影は、人々の胸にいかなる傷痕を残したか? 重厚な物語が深い感銘を呼ぶ、当代随一の語り部の真骨頂。
*第1位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/作家部門
内容(「BOOK」データベースより)
夏のさかりの黄金色の日暮れどき、静謐な尾根筋を辿っていた私は、四十代なかばの美しい女性と出逢った。ひとときの語らいを楽しんだが、女性は後刻、無惨な二重殺人の犠牲者となる。胸に去来するのは、彼女の残した言葉―あなたとわたし、ほんとうになにかを変えられると思う?悠然たる物語に埋めこまれた悲劇の種子はいかなる実を結ぶのか。鬼才がその底力を発揮した傑作。
ゴダード、いいですね。この作品で初めて読んだんですが、人物設定・プロット・語り口、全部うまいです。訳者さんもいい仕事してます。600ページ程ある本ですが、読みやすく、ストーリーにも引き込まれ、一気に読んでしまいました。
基本的には、Whodunit,Whydunitの話。でも、自分で推理するというよりは、物語を進めて、その展開に驚かされ、楽しむ、といった感じです。
でてくる登場人物も、みんな現実的でグッドですw 自分の利のためにみんな動いているんですね。作り話にありがちな不自然な人物がいない。(主人公は別かもしれません。金持ちで暇人でおせっかいなので。まあ、いまだに階級の色濃く残るイギリスですから、現にこういった人物はたくさんいるのかもしれませんがw)自分の利を守る、得るにはどうすればいいかを考えてそれぞれ行動する。だから事態が拗れる。当たり前っちゃ当たり前ですが、人物描写、それらの絡み合い(プロット)も含め、ここまで綿密に書ける人はそういないのではないかと思います。事実が事実を呼び、螺旋を描きながら真実へと近づいていくその様には様式的、幾何学的な美しさすら感じました。
ゴダード、読んだことのない人がいたらぜひ読んでみてください。前半はスロー・ペースですが、後半の怒涛の展開に興奮すること請け合いです。
tag : book_review
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